百面相と嘆息。

特別忙しいわけでもないのだけれど、本格的に授業が始まってへとへとなので中々更新しない間に本を2冊も読んでしまった。(実際は3、4冊?)

本日読み終わったのはこちら。

天地明察(上) (角川文庫)

天地明察(上) (角川文庫)

天地明察(下) (角川文庫)

天地明察(下) (角川文庫)

どちらも受験シーズンに明林堂で買っていたもの。
映画が楽しそうだったので、今更ながら手を出したら、本当に面白かった。

もうね、久しぶりに百面相しながら、嘆息しながら読んだ作品だった。

夢中になると、バスでも酔わなくて、黙々と読んだ。
授業とかが始まって本を閉じたりする時、上巻が終わって本を閉じるとき、ほう、と息を吐いてしまう。
幸せ、ってのと、続きが気になって勿体ない、ってのと。
そして読み終わって、胸の内に渦巻く幸福感とか、満足感とかに、またひとつ息を吐くような。
そんな本。

さらっとしているのだけれど、読み応えがあって。
大好きな日本史で見た名前が全然違う響きを持っていきいき輝きだす感じで。
それでも知っている名前が出たときに嬉しくなるのもあって。

そして主人公や、展開の一喜一憂に、つられて百面相してました。
それはもう、一緒に居た大学での友人に「めっちゃ幸せそうな顔してる」って言われるほどに。
憂の場面では反対に、授業始まるというのに教室の片隅でうるうるして顔覆って深呼吸してみたり。

第七回本屋大賞受賞作。
2010年の作品ということでしたが。

読後感とかそういうものが、第一回大賞の「博士の愛した数式」を彷彿とさせて。

元祖、本屋大賞な作品なのかなあ、って思ったりしました。

第一回の時、私は小学校6年だったか5年だったか。多分6年。

流れって早いなあ。

ずっと読んでなくて、映画に惹かれてって遅かったなあ、と悔やんでいたのだけれど。

途中見学のつもりで訪れた大学の図書館で気になって、漫画とかとおんなじぐらいの気持ちで読んだ「広島ルール」っていう広島の県民性をネタにしたものがあって。

広島ルール

広島ルール

この中に、天地明察に登場する、主人公とは競い高め合うような、碁の家、本因坊の名前を広島ゆかりのものとして発見した時、今この2冊を読んでいるのは運命のような気がした。

出会うの遅かったのだけれど、今読むのが運命なんじゃあ、ってぐらい。
だって、本屋大賞の年に「広島ルール」は出てない。

銀の匙」を読んだ後に、それにまつわる本を見つけて飛びついて、延長戦、ってした時以来じゃないだろうか。というより、多分これが人生で2度目だと思う。

失敗して、何度も挫折するのを支えられながら、静かに、それでも激動の。
そんな人生を歩む主人公も、その周りの人物も。
全てが愛おしくてたまらない。

そんな感じ。

受験に阻まれた光圀伝も、天地明察の映画も漫画絶対読んでやる、観てやる、と思いつつ。

これの前に読んだ本も更新したいし、授業のハプニングなんかや内容で面白かったことも書きたいのだけれど、本日は立て続けに3コマ授業した挙句(90分×3 途中昼休みがありましたが)買い出しに山を自転車を押しながら下って、上ったので余力がありません。

どうしても天地明察の感動だけ、ってことで。


またどこかで更新します。


先週も帰ったけれど、明日午後の講義が休講になったので、明日は家に帰ろうと思います。



そんな感じで、野火でした。