春
CDと手紙を持って。
大好きな親友、ゆきに会いに行った。
あっという間に桜が満開になってて、花見客もいる小さな公園。
離退任式、つまりはおととい、引越し前に会えるのは最後かもしれないからと、ゆきが小説と、CDと、手紙をくれた。
CDは、色んな曲を集めたゆきセレクトのもので。
中学と違ってあんまりしなくなっていた手紙は、変わらずあたたかくて。
小説も、相変わらず、可愛くて、楽しくて。
すっごく、すっごく嬉しくて。
小説は間に合わなかったけれど、汚い字でまとまらない手紙を書いて、こちらもセレクトCDを作った。(完全に私の好み丸出しだったけれど)
そして、忙しいところをわがままをいって。
15分くらい、話して、写真を撮って、別れた。
本当に、あっさり。でも、ちょっとしんみり。
その後届いたメールだって、優しくて。
ずっと、このままでいたいな、って本当に思う。
つかず、離れず、近すぎず、遠すぎず。
違うのは。もう今日みたいに、すぐ会いたい、ってなれないこと。
それだけ。
それだけが、すっごく大きいけれど。
それを知っていても、行きたかった大学。
どちらも大切にしたいから。
欲張っていたいなあ、って。
別れと出会いと。
同じだけあるけれど、別れの寂しさの方が、私にとっては大きい。
願わくば、こんな春を、来年も、その次の年も、って。
そんなふうに、続いていけたらなあ、って。
上手く言葉に出来ないけれど。
そんな感じで。
野火でした。