不恰好なやさしさ

“不器用なやさしさ”じゃ、ないんです。“不恰好な”やさしさなんです。

一昨日と、昨日は途中まで、クラスマッチでした。
3年生は春季クラスマッチの頃には卒業しているので、(留年しなければ)高校生活最後のクラスマッチでした。

昨日は、激しい雨で途中中断。
グランドでやってた生徒がこのまま授業したら風邪ひくってことで、午前中で帰りました。
実はその足でカラオケ行ったけど。うん。



女子はバレーだったのですが、去年、一昨年よりは運動オンチの私でも貢献出来るようになりました。
でも、勿論、それはレシーブを私の変わりにコートを縦横無尽に駆け巡ってとってくれる子が居たからこそでしたが。

そういう人のためにも、頑張ろう、と思ってたのに。

予選3試合全て負けて敗退。
全部、1セットは取って、3セット目までもつれこんで、あと1点とか2点とかで負けた。

2試合目は、3セット目でその日ずっと決めてたサーブが、最後の最後に回ってきたときに失敗してしまって。
相手にマッチポイントとサーブ権を渡してしまった。
結局、最後のそのボールが、どっちも粘ったけれど、決め手になってしまって。

3試合目は、3セット目の途中で、雨で途切れて。
再会したその後はズタズタで。一方的に押し切られてしまった。
味方のミスを、サポートして、それどころか、アタックのための、トスを上げる位置に居て。
ずっと、ずっとトスは成功していたのに、相手があと3点っていう大事なとこでミスした。


ああ、って。

泣きたかったけど、申し訳なくて泣けなかった。

私のクラスは私のチーム以外は決勝リーグ進出しました。

得点は多かったから、進出出来ないかな、と、思ったんだけど。



でも、嬉しかったことがあって。

それは、三年間、ずっと、1年、2年、3年と。
ずっと、ずっと7組の、委員長を務めてたO委員長。

去年は違ったけれど、1年生の時はやっぱり同じクラスで、ムードメーカーで、盛り上げ隊長で、そんなに目立たなかった私にもあだ名で声を掛けてくれて。
3年になってもあだ名で呼んでくれたことに、そんな些細なことに、どれだけ私が救われていたから、きっと知らないだろうけれど。

そう、多分ブログにも書いたかも。
1年生の春季クラスマッチで、泣きそうになったこと。
終業式で泣きながら円陣の掛け声かけてくれたこと。

その人は、とても優しい。
とても面倒見も良い。

でも、口が悪くて、ずけずけ言う。

でも、褒めることや、励ます言葉もずけずけ言う。

ぶっきらぼう、とか不器用、じゃない。

とにかく、不恰好。綺麗な形しているわけではないけれど、やっぱり、誰がどう見てもやさしさ。

そんな言葉や、態度をとる人。


2試合目の後も、「いい試合だったよ。」って一人ずつとハイタッチしてくれた。

試合中喉からしながら「とにかく返せばいい!」って、言ってくれた。

2試合目、私がマッチポイント渡してしまったら、試合中だったのに、さっとコートに駆け寄ってきてくれて、目を見て一言「野火、切り替えていこう。」って言ってくれた。

O委員長が応援に立ってると、みんな疲れてても笑ってしまう。

うちわで男子を先導して、指揮しながら茶目っ気たっぷりに応援していたのが笑える。

「さあ行きましょう。相手は○組。よろしくね。さあ行きましょう。7組最高!オイ、オイ、オイ、オイ、オーイ!」

すっごい統制されたそれを、笑って聴いてたら、他クラスが真似してぷりぷり怒ってたのもらしかった。

1日目、中庭のベンチで、バナナの巨大なクッションを枕に、家の縁側ですか、と言いたくなるような寝かたをしていたのも笑えた。

2日目は、1試合しかなくて、それで負けてしまって。
空気が淀んで。

野球部の甲子園代表決める予選大会に行って居ないO委員長が居たら、と、密かに思った。


何だかんだ言う人もあるけれど、いつだって周りに人が居て。いいなあ、と思う。

1年生の時もだったし、3年生でたまたま、保健室での半サボリが重なった時も。

ふたりになると、ポツリポツリとたわいもない話をする。
普段はどこにも接点がないのに。
まあ、たわいもない話も、O委員長が話しかけてくれるから成り立つのだけれど。

「実際は俺はクラスに要らないと思う。」と話してくれたのが、寂しかったけれど、上手くなぐさめれなかったけれど、実は、そう打ち明けてくれたのが嬉しかったよ。

O委員長曰く「テンション高いのは嫌いかと思ってた」ような人間らしいから、「そんなことないよ。」って私の言葉は上辺だけに聞こえたかもしれないけれど。
本当に、私には必要不可欠な人間なんだ。
ずっと一緒に居るわけでもないし、特別仲が良いわけでもないけれど。
1年生の時に、ちょこちょこ保健室で一緒になったりとか、私が先生に保健室行ったことを報告するのを聞いては「大丈夫か。」と言ってくれるのに励まされて、私は教室に入ってたんだよ。
体調不良で1時間目を保健室で過ごした日なんかは、本当に教室に入りづらかったけど、戸を開けた途端教室の中心から振り返って、手を上げて、「おう、野火!大丈夫だったか、どうしたん。」と言ってくれるのに、救われてたんだよ。

そうやってテンション高いのに、そういうふたりの時はちょっと違って。

「俺って実は根暗よ。」

っていう告白に。

びっくりはしたけど、「違うでしょ。」とは言わなかったし、思わなかった。

私が、根暗で、ネガティブで、それでも周りの人には「思いすごしだよ。」とか「違うよ。」とか言われるのがあったから。

素直に、根暗なのに、クラスで頑張ってるのが、すごいな、って思って。

思われないけれど根暗、ってとこに親近感がわいて。

実は根暗っていう、実は同じポジションで、根っこは同じだけれど、私とO委員長が向いてるベクトルは正反対なのかな、って思った。


勝手にね。


多分、他にも話している人は居るだろうし、私は偶然居たからで、本当は私が思いあがっているだけで、そんなに限られた人にしか喋らない話じゃないのかもしれないけれど。

私は嬉しかったし、中々クラスで話せないことも話したから。

ずっと、私はO委員長の不恰好なやさしさに救われているのだと。


改めて、クラスマッチで思った。


そんだけなんだけど、長話になっちゃった。


まだ更新したいことはあるので、今日か、明日かに、更新します。


野火でした。