フィッシュストーリー

フィッシュストーリー (新潮文庫)

フィッシュストーリー (新潮文庫)

読んでしまいました。
実はあとで書きますが、これ以外にも読んじゃったので、前回のから約1週間ほどなんですね。

今回はちゃんと、家では読まないようにしました。


いやあ、作品の感じにムラがあるな、って思ったらデビュー直後の物から、最近の書き下ろしまで結構に幅広かったんですね。
こういうの好きです。

やっぱり、何だかんだいって書き下ろし最新作の「ポテチ」が1番好きだったんですけれど。

なんていうか、今村さんが、とても優しいのがいい。
底抜けに優しい。
抜けてて、ドジで、全然頼りないけど、どこまでもお人よしで。

自分のためではなく、母親のために、涙するかな、って思ったら、こっちが泣けて来てしまう。

もちろん、コンソメ味と、塩味のポテトチップスに泣くシーンは、紛れもなく今村さんが今村さんのために泣いたシーンであったけれど。

いいなあ、って。

最後の「ただのボールがあんなに遠くに」っていう、言い回しがとても好き。


表題作のフィッシュストーリーも良かった。
時間軸が付いて回る作品ってとても好き。

やっぱり、飛行機ハイジャックの話が1番好きだけれど。
どれも良かったな、っていうか。
どれも外しちゃダメだな、って読んだあと思うような。
とても憧れる。

そして、サクリファイズは村長さんに感服した。
ああいうキャラ、嫌いじゃないです。
何より、主役が黒澤さんっていうのがいいよね。

解説にもあったけれど、伊坂さんは、少しずつ色んな作品の世界がリンクしているのが好きなようで。

ポテチにも黒澤さんは出てきたし、重力ピエロの泉水さんも少し。

逆に言えば、泉水さんを主人公とした重力ピエロにも黒澤さんは出ているわけで。

黒澤さんは読んでてもとても素敵なキャラクターだけれど、書いているほうにもそうなのかしらん、とふと。

黒澤さんがラッシュライフにも出ていらっしゃるということで、そっちも読みたいのだけれど、先日先にオールデュボンの祈り買ってしまったし、他にも買ってしまったから、どう読むべきか。