修学旅行記 1日目

いい加減にしろってくらい更新しませんでしたが、今回は体調・・・は直りかけというのもあったのか全然起きれなくて。
睡眠時間確保しないと駄目な生活リズムになっていたのでしょうか。9時にはもう寝ているという生活をしておりました。

ですがまあ薄れる一方なので、いい加減に少しずつ・・・。

今回の旅の相棒(笑)

キーホルダーも何もなし!シンプル イズ ベスト!!!☆
当日はもっと膨らんでいましたが。

さて1日目。

惑星カレスの魔女 (創元SF文庫)

惑星カレスの魔女 (創元SF文庫)

母オススメ。SFとファンタジーの狭間、な感じの「惑星カレスの魔女」を片手に、飛行機で読んで酔ったらうーん、と思い字も装丁も大きな随想。お昼と途中で買ったペットボトル。修学旅行のしおり。班別行動の地図と資料。カメラ。筆記用具、メガネ、メガネケース、酔い止め・・・などなどそのへんで何故か最初からそこそこの重量がある相棒を背負って出発。

クラスと時間帯の差からひとりで行く羽目になりましたが、その分学校までの電車も読書時間に変わる。
荷物軽いし、いつもみたいな通勤、通学(ラッシュ時間よりはちょっと早いのですが)の時間でもないので本に没頭。もちろん、面白いから没頭できることもあるのですが。

最初の難関はバス!!
出発前の点呼の段階は出席番号順だったのですが・・・しばらくすると「自由に坐り変えていいよ。」とのお触れ。
さて。私の隣の女子は別の女子と坐りたそうだったので私は通路側だったこともあり早々に席を明け渡したのです・・・が!!

そう、私のクラスの女子は奇数だったのです・・・!!
つまり、誰かが女子とは坐れなくなる。
一緒に坐る女子は居ないし、班の女子は私を含め奇数なのですでにふたりで坐っている。
気付けば立っているのは私のみ。
さて、どこが空いているのかといいますと。
1番後列の、五人かけの席の、真ん中。・・・周りは男子☆

・・・坐れるわけない!!!と、いうわけで本当はやめなければだったみたいですが、やはり不憫に思ってくれたのでしょう。
先生に咎められることもなく補助席に。
そして再び本に没頭。
隣の人に途中「酔わないの?」と言われながらも読む。
没頭できる面白い内容のものは案外酔わないものなのです。
面白くなければ、人の何倍もひどく、酔います★

そして私は決意するのです。

――次自由にすわる機会があった場合には周りを気にするべきではない。どこでも良い、いち早く空いている窓側の席を確保し隣に誰が来るかは放っておくのだ!――

そして飛行機場へ。
飲み物は検査もあるので検査を通過してから待合で買うことにしていたのです、が。

その待合の売店が思いの他文庫本が置いてあり、そのコーナーへ他クラスの友人とどうせいいものはないだろうけど、とふらりと寄ったのがいけなかった。
結構な本が多く。
「あ、これ好き!」とか言っている間に目に止まってしまったのです。

新装版 歴史を紀行する (文春文庫)

新装版 歴史を紀行する (文春文庫)

・・・。目次をぱらりとめくってみると長州も土佐もあるじゃあないですか!

・・・・・・。

「買うの?」「・・・・・・・・・。」

友人の質問にも沈黙で答えていた私でしたが。やがて決断したのです。

「買おう!!!」「買うの!?」

友人の言葉というものは同じ単語でも言い方で意図は変わるものです。

先生にも「買ったのか!?本を!?」と呆れられる始末。

明林堂で見たことのない本だったので裏切りではないのです。

そんなわけで野火、高校の修学旅行の記念すべき最初の買い物は歴史紀行の文庫本でした、という。

さて、飛行機では非常口・・・つばさの真横。
何とうきうきしたことか。
飛行機は幼少に乗ったが最後なので、記憶がほとんどなく。
そしてつばさにも興味があったのでもう張り付いて。

飛行機の滑走って、あんな短い距離でいいのですね。
あんな思い機体を持ち上げるのにあれだけの滑走で良いのですね。感動。
皆様がきゃーきゃー騒いでおりましたが、客席であれだけの浮遊感だとパイロットさんはいかがなものなのかしら、と。
ありきたりな言葉ではあると思いますが本当にすごいと思います。尊敬します。
何人もの命を乗せたあんなに重い機体を狭い機関室で自分の腕と経験だけを頼りにハンドルを握って空へと持ち上げるのです。
そう思いながら少しずつ機能していることが目に見えるつばさと、みるみる遠ざかる地上と、目の前に広がる空に釘付けだったのです。
雲を抜けた先の青さと言ったら。
紅の豚のポルコの気分でした。

ポルコ・ロッソ!!!

実はお昼は飛行機内か、飛行機を降りてからのバスの車内で・・・という話だったのですが。
大抵の人が時間に余裕のある飛行機で食べる中。
私はある決意を当初から固めていたのでございます。

――時間の長い飛行機内は全て読書にあてよう!!!――

そのためにバスでは飲まなかった酔い止めをわざわざ念には念を入れて飲んだのです。
そして片手に読みかけの「惑星カレスの魔女」、もう片手には水分補給のペットボトル。それ以外は全て相棒に任せ、荷物置きに置いてもらう。
非常口の傍は足元に荷物は置けず、窓際で身長も低い私にはもう荷物を取ることは叶いません。
そんな確固たる意志で本を読みふけりました。
おかげさまで北海道に着くころには文庫本は3分の1まで読み進み。

途中本に没頭しすぎて「お飲み物はいかがですか?」とご丁寧にひとりひとりに聞いて下さった客室乗務員の方々と、聞いてない私につんつんとつついて教えてくれた隣の席の方には迷惑をかけたのですが。

幸い出席番号だったバスでもしゃもしゃとひとり昼食をとったのです。
さらば母君の味!!
私はこれを最後に丸3日、母君の味と離れるわけでございます。

さてお昼に費やした短いバスを降りますとそこはクラス別行動で我がクラスが決定した「羊ヶ丘展望台」。
我がクラスが決定したと言いますよりは我がクラスの副担任の巧みな手腕によって誘導決定された、という方が正しいのですが、それは3日目にもつながりますので、忘れなければ後日明かすといたしましょう。

あれ、いつからこんな語り口調に?誰に向かって?

そんな自問自答はしまわねばなりません。なってしまったものは仕方がないのです。
例えこの先の語り口調が変わってしまっても、それがまあ運悪くしてトッシー口調だったとしても気にしてはならぬのです。

話がそれてしまいましたが、羊ヶ丘展望台はクラスでつまらなく回るのかと思えば、クラス集合写真の後には時間以内の自由行動とするところであったようで、私は空港を回った友人・・・いわば去年のクラスの気心しれた友人と回ることが出来たわけです。
友人達のクラスの副担任は我がクラスの副担任であるわけでもないのに同じ羊ヶ丘展望台が行き先となったというのは幸いというほかありません。
私達は旅立ちの鐘と間違えて別の鐘を鳴らし、別の友人と合流し、クラーク博士の前でお決まりのポーズで写真部に写真を撮って貰い、羊を見て、私1人は日ハムの好きな選手の手形を写真に納め、売店を見てまわり、面倒はさっさと済ませたい私はそこでどこにでもあるお目当てのお土産チョコレートをまとめて買ってお土産を済ませるという薄情かつ不精者ぶりをあますところなく発揮し、ついでに雪まつり資料館を見たいというわがままなマイペースぶりまでいかんなく発揮し、そして全員で鳴らした鐘は旅立ちの鐘などではなく恋愛の鐘であったことに気付き、改めて旅立ちの鐘を鳴らし、バスへと別れたのでございます。

色々言いましたものの、単純に言えば存分に私は羊ヶ丘展望台を楽しんだのであります。

さて、決意通り早くバスに戻り、いち早く前の方の空の座席にどっかりと坐りましたところ、男子はどうも同じように補助席を出しましたようで、私の隣は誰も坐ることなく、悠々と私はホテルまで読書の続きをしたわけであります。

途中行われた自己紹介ゲームなるものは好きなものや好きな芸能人、好きな教科などいくつかの質問の回答と名前を記入した紙をバスガイドさんが適当にひいて読みあげ、質問の回答から人を当てる、というものでありました。
よくわからず、文化系の感じのするものは野火・・・というようなイメージがあったのでしょうか。
私の名前を出しては誤回答、ということ5回。
ナンなのでしょうか。

おかげさまで私の番の時にはバスガイドさんが「出ました」と読み上げる前におっしゃいました。
しかし肝心な私のものは中々当てられない挙句に男子と思われる始末。
好きな芸能人の項目はミスだったのでしょう、飛ばされたのですが、結局はイニシャルでしらみつぶしに回答された、というものだったのであります。

さてホテル初日は3人部屋でありました。
とても狭く、おそらく2人部屋に無理矢理ベットを詰め込んだのでしょう、と思っていたのですが、他の部屋も見て推測するかぎりその不自然につめこまれたベットは元はソファであったようです。
壁際が大好きな私がそのソファをとったのですが堅かったのであります。
しかし同室のお二方は仲良しの子の部屋へと遊びに行きましたので私は悠々と部屋を独占し、早々に部屋着に着替え、ベットの上で本を読んでいたのであります。

何と優雅なことでしょう。
家では本を開くと止まらぬ私の性分を知っておりますから、本を読んでは怒られ、私自身家では読まぬよう努めていたのですが、修学旅行は宿題もないのですから何も問題はありません。

誰もいないのに扉が開いている・・・と思い、部屋をのぞいた子が実は居た私の存在に驚き、その私服の黒づくめなことにつっこみを入れる以外は何もなく、夕飯までゆっくりとしたのであります。

その黒づくめで降りた先にはバイキングな夕飯が。
私は味噌汁と3日離れるとノイローゼにでもなりそうなぐらいの味噌汁への執着心なのですが、今回は幸いにも麦味噌に出会うことが出来まして、平和に夕食もとることが出来たのであります。
しかし不思議なことに味噌汁だけは自宅が1番と思うのです。
きっと味噌汁と言いますものは慣れた家庭の味、が嫌というほど前面に出る品目なのでしょう。
おそらく安物ではありましょうが、初のジンギスカンは美味しかったのです。癖があり、生臭いとのことで噂通り苦手な方もいらしたようですが、元来私は肉の生臭さは平気なようなのです。
肉はかぎりなく生に近い焼き加減が好きでありまして、外がかりっとするだの許せないのであります。
馬刺しをこよなく愛しておるのであります。勿論、中々お目に掛かることはないのでありますが。

そして夕飯の後は部屋ごとに入浴・・・と言ってもホテルなのでユニットバスなので浴槽に浸かることの出来ぬかなしいものではありましたが、とにもかくにも入浴し、そのご2時間ほどの自由時間でありました。
また私はひとりとなり、優雅に本を読み、途中うつらうつらしたので、就寝前にきっちりと「惑星カレスの魔女」を読みきるという素晴らしい夜を過ごしたのでありました。

どことなくライラの冒険の「瑚珀の望遠鏡」のような作風。
いえ、内容はとても差があるのですが。
読み易い軽快な作品であったのです。

そして充実した1日目、点呼の直後、私は5分とたたず眠りにおちたのであります。