ガンバの冒険シリーズ

怒りたいのに怒れない状況・・・というのはありまして、それでひとりだけカリカリイライラしてても阿呆らしいので気を静めようとこんな時間帯の更新です。

さて今回は作品なのですが。

冒険者たち――ガンバと十五ひきの仲間

冒険者たち――ガンバと十五ひきの仲間

グリックの冒険

グリックの冒険

ガンバとカワウソの冒険

ガンバとカワウソの冒険

アニメで知ってるよ、という方もいらっしゃいますでしょうか。残念ながら私はアニメは知らないのですが・・・。

この装丁が大好きで!文庫版もこの表紙ですね。流石。

小学校の3年生で惚れ込んだ作品。
大好きな図書室の奥の1番大きな棚の一番上にあって。
もう誰も手をつけていなかった新品状態で発見。
夏休みの図書は3冊借りれたので、シリーズ全部重いのに小さい身長で脚立を駆使して下ろしてうきうき借りて読んだらとても面白かった・・・という。

さらにこの本をうきうき一冊目を読みながら帰り、「この本面白いの!」と読みかけの「冒険者たち」を父君母君に見せると。
「あら、ガンバじゃない。」と。
母君はアニメリアルタイム世代だったようで。
何と父君は小学校高学年か中学生かの時に弟・・・私からいう叔父君に買ってあげた作品だったとか。
共通の話題が出来てとても嬉しかったのを覚えております。
父君曰く叔父君は作中に出てくるイカサマというネズミが大好きで、真似して一時期はサイコロをふたつ持ち歩いており、学校の先生にサイコロは己にとって如何に大事であるかを語り、それは没収に値するのか、という作文を提出したとか。日記という説もあります。
私もイカサマは大好きで、未だに大好き。いえ、みんな好きなのですが、特別に好きです。

元来すこぶる人見知りな私は親戚にも極力話かけないタイプなのですが、こればかりは嬉しくなって、はたして叔父君が訪れた時におずおずと質問したのです。
冒険者たち」を知っているか・・・と。
叔父君はこの私の勇気に向かって一言。
「え、わかんない。」

・・・どれほど困惑したか・・・。

しかしそこで食い下がらず付け足しました。

「あの、ガンバの・・・ネズミの・・・イカサマっていうサイコロのネズミが・・・。」

支離滅裂ではあったのものの叔父君は大きく頷きました。

「ああ、ガンバか。冒険者たちっていう題名だったっけ。」

「・・・・・・。」

叔父君よ・・・と思ったのは言うまでもありませんが、その後めずらしく叔父君と話をしたのを覚えております。

たしか冬休みと春休みの長期休暇もこれを借りて帰るというハマリ様で、見かねた父君、母君が買ってくれたのでした。
きっと、自分たちがまた手にとりたいのも大きいのでしょうが。

そういうわけで未だに私の部屋の本棚の一番上はこのシリーズです。
未だに大好きで、ふと思いたっては手にとります。
だいぶ色褪せたり本の扱いのよろしくない母君と弟のために傷んでいるのですが・・・。

この作品で好きなのは、素直に頑張る主人公・・・っていうわけではないところでしょうか。
みんな一癖も二癖もあって。
恐がるし、尻込みするし、面倒くさがるし、かと思えば変な意地や見栄をはったり、喧嘩をしたり自分の特技を最大限に生かしたり。
性格だってもうバラバラ。
でも、誰もが持ってる何かがあったり、そういう性格だっていいんだよ、っていう面があったり、はたまた長者の知恵があったり。
ネズミの話だけれど、人間の気を抜くと忘れてしまう十人十色な感じが出ていてとても好きです。

世代を超えて人気のある作品があるというのは本の魅力ですね。
我が家では映画もそういう傾向が少しみられますが、世間的にはそこまでではないし、実際我が家でも本には勝りません。

いつかガンバシリーズが次の世代と語れる日がくるのかしら、と思いつつ。野火でした。