クレーの天使
忘れっぽい天使
くりかえすこと
くりかえしくりかえすこと
そこにあらわれてくるものにささえられ
きえさっていくものにいらだって
いきてきたわすれっぽいてんしがともだち
かれはほほえみながらうらぎりすぐそよかぜにまぎれてしまううたで
なぐさめるああ そうだったのかと
すべてがふにおちて
しんでゆくことができるだろうかさわやかなあきらめのうちに
あるはれたあさ
ありたちはきぜわしくゆききし
かなたのうみでいるかどもははねる
久しぶりに、谷川俊太郎さんの「クレーの天使」を開いてみた。
やっぱり、この詩が好きだ、と相変わらず、思うのだけれど。
以前に感じたこととは違って。
現在を過去にしていく薄情な自分を、少しだけ許して貰えたような気分になった。
- 作者: パウル・クレー,谷川俊太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2000/10/11
- メディア: 単行本
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