きみ去りしのち
試験週間に阻まれ。中々読み終えることの出来なかった重松清さんの「きみ去りしのち」ついに読み終えました!!!
- 作者: 重松清
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/02/10
- メディア: ハードカバー
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いやあ・・・良かった。透明感、といいましょうか。いい感じの半透明な感じが素敵で、さすが重松さんって感じです。
確か文庫版も出ていたと思うので、探そうかな、と。普通のやつの装丁は素敵なのでとても迷うところではありますが。
でも、読んで良かったです。本当に。
人が、当たり前にそこに在った人が突然居なくなってしまう、っていうのは、本当に大きな話で、ショックなことだと、私も当然思います。
ただ、そういう時思うのが、その人を失った悲しみを、きっと現在としている人もいるのに、それを過去として、元の日常のように、笑えるようになって、薄れていくのは、果たしていいことなのかな、という。
学校で、ひとりの方が、亡くなってしまって。
皆ショックで、大きな喪失感のようなものがあって。
それなのに、数日たてば、部活も再開されるし、皆が泣いて授業を受けるわけではないし。
いちいち、あの時・・・って、思う人は居ないし。
あんなに、あれほど“死”というものを間のあたりにしたはずなのに、「死にたい」とか、「死ね」って口走る人もいる。
そういう、ごく普通の日常に戻るのって、いいのかな、どうなのかな、とよく思います。
家族や、親しかった友人、そして、担任していた先生や、生徒会で一緒になっていた先生。
亡くなってしまったことを、きっと、過去と出来ない人も居るのに、他の人が過去の話にしていいのかな、と思ったりします。
あんな事件があったよね、って、そういう言い方が、1番ずっしりしたり。
でも、自分も、別のことだったり、もしかしたら同じことで、そういう事を言っていたりするのかな、と。
実際、私は普通に笑ってるよな、と思ったり。
そんなやるせない感じが、少しほどかれるような、何ともいえない気持ちになりました。